日々の戯言時々ネタ置き場兼レス置き場
前世の三郎は、いつも誰かの変装をしていた。
だから、いずれ道を別ち、見知らぬ人の顔をしていたら、
再会しても気付かないかもしれない。
そう言われた時、僕もハチも兵助も勘ちゃんも、
「たとえ誰の顔をしていたって分かる」
って答えた。
「そうか。ということは、何某かの事情があってお前らの
前から姿を消したいと思ったとしても、無理ということか」
「だな。意地でも探し出してやるから、覚悟しとけ」
「そうそう。俺らが納得しての事じゃなかったら、逃がしてやんないから」
「それが嫌なら、黙って消えたりはするなよ」
「どこで誰の振りをしていたって、必ず見付けだしてみせるよ」
冗談めかして、でもいつか本当にいきなり消えてしまうかも
しれない三郎に、みんなでそうやって茶化して答えたら、
「ならば私は、生まれ変わってもお前らをちゃんと見つけてやろう」
ニヤリと笑って、そう返された。
それから時が経って、みんなバラバラになったけど、僕と三郎は一緒で、
危険な忍務の度に、
「たとえ死んだとしても、生まれ変わって、君を必ず見つけ出す。
だから、待っていてくれ」
そうやって誓ってくれた。
なのに、一緒に生まれ変わって、また巡り逢えたのに、君だけ
僕達の事を覚えていないのは、何でなの三郎?
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