日々の戯言時々ネタ置き場兼レス置き場
かつて―室町の世の―三郎は、変装の名手で、常に
誰かに変装していて、素顔は誰も知らないとの噂もあり、
好んで使っていたのは僕の顔だった。
だから僕達が同じ顔をしていたのは、ある種必然のことだった。
けど、今世の三郎は、色んな意味で器用で、大抵の事は
容易くこなしてしまう天才で、モノマネなんかも上手いけど、
変装はしていない。
だけど、保育園で顔を合わせた時から、双方の親が隠し子か
親戚なんじゃないかと疑った位、僕達はそっくりで、だけど
実際は全くの赤の他人だったりする。
こんなにもそっくりなんだったら、いっそ双児か兄妹にでも
生まれていたら良かったのに。
そうしたら、三郎が前世のことを覚えてないことも、「運命の人」を
探していることも、少し淋しいと感じたり呆れたりはするかもしれない
けど、こんなもどかしい気持ちを味わうことは無かったのに……
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