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『05.いつか、こんな柵(しがらみ)絶ち切れたら』

配布元:リライト
http://lonelylion.nobody.jp/


(※今回はハチ目線です)






俺には、4人の親友が居る。
内2人は保育園。1人は小学校。最後の1人は中学に上がってから
知り合った。……ということに、表向きはなっている。
けど、正確には「再会した」の方があっている感じで、俺ら5人は、
前世でも友達だった。

俺以外でそのことを覚えているのは、保育園から一緒の雷蔵と、
中学でようやく合流した勘の2人だけで、残る2人―三郎と
兵助―はさっぱり覚えていない。しかも雷蔵は「なるみ」、
兵助は「歩」が本名―「雷蔵」と「兵助」ってあだ名(?)は
勘が付けた―の女子に生まれ変わってたりもする。

それでも俺らは親友で、2人が覚えてないのはちょっと
淋しいけど、それなりに上手くやっている。

ただし、問題はある。


俺ら以外にも、同じ時代で知り合いだった記憶を持って
生まれ変わってて、今世でも知り合いな人はそこそこ居る。
その中には、ある日いきなり記憶が甦った人や、断片だとか
薄ぼんやりとしか覚えてない人も勿論いて、雷蔵も徐々に
鮮明に思い出している口だったりする。

だから、何年か前から三郎が「夢で見た」と語る内容が、
前世の光景でも、何もおかしなことは無い。
問題は、それが前世の記憶であることを告げ損ねていることと、
その夢に出て来る相手―雷蔵―を、三郎が「運命の人」と信じ
込んでいること。

リアリストを気取っているくせに、そんなロマンチストのような
ことを抜かす三郎に、俺と勘は真実を知っているから大いに呆れ、
兵助も客観的目線で見ているからこそ冷たい。

そんな中雷蔵は、始めに三郎が夢の話をした時には、明確に覚えて
いなかったので苦笑しつつ呆れていた所為で、今更真実を告げても
信じてもらえないけど、かといって、万一「運命の人」に該当する
相手を見つけてしまったら、自分はきっと耐えられない。
そうやって、ずっと悩んでいるのに、表向きは相変わらず苦笑しながら
三郎の語りを聞いているだけ。


正直、俺も勘もそんな雷蔵は見てらんないし、兵助も何かがおかしい
ことには、気付いているっぽい。
だから、いっそ三郎に全部バラしてぶん殴ってやりたい位だけど、
そんなことしても雷蔵は喜ばないというか、多分怒る。


そんな訳で、今の所俺らには何も手出しが出来ない。
けど、いつかは状況を打破できたら良いと思うし、どう転んでも、
三郎には一発食らわさないと気が済まないんだよな。

 

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